魔法界の魔法使いには人間界の魔法使いに負ける落第生がいます
「泳ごーよ」

顔こそには出さないものの、心の中でニヤニヤしながら美里の腕を引っ張る

ふっふっふ・・・・・・

「泳がねー」

「じゃあ、なんで浮き輪膨らませたのさ」

「い、いいじゃねーか」

「えー、もったいないよ。泳ごーよ」

ふっふっふ・・・・・・楽しい♪

「彩音・・・・・・お前、楽しんでるだろ?」

「えっ?ぜーんぜん、そんなことないよ?」





「で、この腕はこーで」

「ちょっ、溺れる!」

「大丈夫だって!いざとなれば、弥生ちゃんに時を止めてもらえばいいし!」

「そういう問題じゃねーだろ!」

「あー、足は付け根から動かしてねー。なるべく白い水しぶきが上がらないように!」

「わっ!おい、足を持つな足を!」

そんなわけで、あたしが美里に泳ぎ方を手取り足取り教えることになった

美里がカナヅチだったとは・・・・・・驚き

しかぁし、これは大チャンス!大チャンスなんだよ!(←何回言うの?)

ここで美里に教えれる間だけでも、美里からのイジリから解放されるからね!

・・・・・・あんまりいじられてないよーな気もするけどな

「まずは、バタ足からいこー」

「馬鹿にしてるよな?」

「あっそう?じゃあ、一人で泳ごっか」

「い、いや・・・・・・その」

実は美里、バタ足の息継ぎができないらしく・・・・・・

はは・・・・・・

「あははー。美里って可愛いねー」

「馬鹿な事言うな!」

一生懸命してるのはわかるんだけどね

キックで1mくらいしか進んでないよ?それ以降、バタバタ足を動かすだけで、派手に水しぶきが上がってるだけだし

膝から動かしてるから、進む効率が悪いんだよねー
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