魔法界の魔法使いには人間界の魔法使いに負ける落第生がいます
「はい。頭蓋骨が廊下に落ちてて、カタカタ音を鳴らしてたんです」

「そう・・・・・・それも幻影ではないわ。だから、絶対に通っちゃダメ。わかった?他のみんなにも伝えて」

「は、はい・・・・・・」

うーみゅ、これは大事件ですなー

幽霊のうちの二つが本物だなんて!考えてもみなかったよ・・・・・・っ

「はーい、紙確認!いいよ、大丈夫」

にこにこと笑いながら水野先生があたしに言う

紙は、次の肝試しで使われないように、先生が終わるまでずっと持っておくらしい

「夏美先生、ちょっと・・・・・・」

「んー?どしたの由香里ちゃん」

あたしの目の前で、ゴニョゴニョとなにかを話しているお二人

「え?んー、それほんと?」

「本当です。彩音さんの班が見たはずです。そうよね?」

「はい、見ました!聖理奈や美里も一緒に見たはずです」

「そっかそっかー。それじゃ、安全面を考えて明日の肝試しは中止ね。これから行く班も全員。明日は何をしよっか?」

「ああ、その事なんですけれど。この施設にはいろんなスポーツ施設があるので、そこで遊んでいただけたら」

「おー。ありがとう、由香里ちゃん!」

由香里さんの提案に、喜んで受け入れた様子の水野先生

「それじゃあ、今まで行った班が帰ってくるまで待っててねー」

と言って、あたしを聖理奈たちの元へ返した水野先生

「どうだった?」

「あーうん。どうやら、あたし達が見た女性と頭蓋骨は幻影じゃなくて本物らしいの」

事実を、隠さずに告げる
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