魔法界の魔法使いには人間界の魔法使いに負ける落第生がいます
そういえば、結菜、春香、杏奈で一つの班だっけ・・・・・・

って、それはどうでもいいから!

「入っていって、戻ってこないって・・・・・・どれくらい前に入ったの?」

聖理奈が柚子に問う

「えっと・・・・・・10分・・・・・・・ううん、15分くらい前かな」

この廊下を渡りきって帰るにしては長いよねー

「それに、入ったまま帰ってこないからって、杏奈も春香も行って・・・・・・二人も帰ってこないの」

花火も目を伏せながら言う

きっと、昨日の幽霊のことを思い出して、心配してるんだ

二人も見たはず。あたしが帰ってる時にすれ違ったのは二人だから

「そう・・・・・・心配ね」

険しい顔をしながら、聖理奈が呟く

美里もやけに怯えてる

・・・・・・美里を怯えさせることが出来るとは。お化け、恐ろしや・・・・・・

っと、冗談はさておき(冗談じゃないところがあるけど)、やっぱり心配だよねぇ

そう思った時、幽霊の女性のことを思い出した

確か、おいでおいでしてたよーな・・・・・・

そう思うと、急に怖くなる

おいでおいでしてたってことは・・・・・・三人をどこかに連れてってしまうとか?

「それはマズイ!」

「え?」

「なにがだよ」

突然叫んだあたしに驚いた四人が、訝しげにあたしを見つめた

マズイよ・・・・・・ダメだって!

もし、それが色々とヤバいやつだったら・・・・・・?

あたしは陰陽師じゃないけど、魔法使い

人知を逸した存在にも対抗できる

だから───

「ちょっとあたし、様子みてくる」

そう言い残して、返事も待たずに廊下に入った

「は?ちょっと待てよ!」

「待ちなさい、彩音!」

「彩音!」

「ちょ、ちょっと!」

ごめん、皆を巻き込めない

それがもし、あたしの思い過ごしだったとしても
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