魔法界の魔法使いには人間界の魔法使いに負ける落第生がいます
「そう言えば、あの幽霊はどうなったのかしら?」

本調子を取り戻した結菜が明るい声でいう

ぎくっ

「さ、さあ?」

「でも、ロケットを彩音が握りしめてたのよ」

そう言って、あたしの方にロケットを差し出す杏奈

ゆっくりと起き上がって(聖理奈が手伝ってくれた)、そのロケットを受け取る

「これ・・・・・・」

あの時の、ロケットだ

どうしても気になって拾ったものだけど

ほんと、ひかりちゃんは春香に似てるな・・・・・・目元なんて特に

髪は春香の方が長いけど、雰囲気といい似てる

改めて思い、杏奈にロケットを返す

「さあ、面会は終わりよ。彩音さんも疲れているだろうし、結菜さんたちもあまり休んでないでしょう?明日帰るから、部屋に戻りなさい」

『は、はーい』

女子一同は、渋々この部屋を出て宿泊部屋に帰っていった

「さあ・・・・・・気を取り直して」

こほんと咳払いをして、由香里さんがあたしに向き直った

「夏美先生から話は聞いてるわ・・・・・・神崎彩音さん」

「は、はい」

水野先生が話したのか・・・・・・まあ、堂々と闇魔法で障壁作ってるし、別に構わないけどさ

「なんで障壁を作ったのか・・・・・・教えてくれるかしら?」

その言葉には、少なからず怒りが見えた

多分、自分たちを・・・・・・水野先生を初めとする引率の先生や先輩である自分に助けを求め無かったのかを聞いてるんだ

「ごめんなさい・・・・・・」

あたしは俯き、答える

誰にも迷惑をかけたくなかった
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