魔法界の魔法使いには人間界の魔法使いに負ける落第生がいます
同じような痛みを経験した、あたしにできること・・・・・・

知ったかぶりの表面上の偽善じゃなくて

心からの想いをぶつけて

美里というコンプレックス。自分を超えた妹に対する情けなさ

やはり、和さんは・・・・・・美里のこと

─────なんだね

「美里」

「っ?なんだよ」

美里に声をかける

少々不機嫌そうな声が帰ってきた

「和さんはね・・・・・・美里を嫌ってたわけじゃないんだよ」

「は?」

なんで知ってるんだ、みたいな顔をする美里

ちらっと聖理奈の方を向いて、そしてまたあたしの方をむく

「・・・・・・それがどうした」

「あたしもね、お兄ちゃんがコンプレックスだったの。あたしにはできないことを、ずっと前にそれをクリアしていたお兄ちゃんが。筆記や実技の試験もいつも1位で、憧れの存在である人が」

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

「それでね、いつも比べられてたの。お兄ちゃんはできたのに、なんであたしはできないんだってね・・・・・・それと似た気持ちを、和さんは持ってた」

そして、和さんが不意に零した、美里に向けた言葉

「聖理奈からの・・・・・・ううん、和さんからの伝言だよ」

心行くまで、自分を超えて・・・・・・そして、美里

あたしはあなたが大好きだよ・・・・・・って

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・っっ」

突然ばっと俯いて、目のあたりをゴシゴシと擦る美里

美里は、わかってたんだ
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