魔法界の魔法使いには人間界の魔法使いに負ける落第生がいます
棒にまたがって翔ぶ人が、目に映った

1人だけじゃない

二人、三人・・・・・・全員で5人いる

そのうちの一人は棒を使わず、ただ宙を翔んでいた

「聖理奈、どうした?」

あたしが窓の外を見て固まっているのを不思議に思ったのか、同じように窓を見やる美里

美里もまた、固まる

そのうちに揺れは収まり、生徒達はざわざわとしながら机の下からはい出た

「避難します!」

水野先生の声に従い、廊下に出ていく生徒達

あたしたちがなかなか動かないのを見て、ため息をついたように杏奈が浮遊を使い、あたしたちを浮かせる

それにはっとして現状に気づいた

「ありがとう、杏奈」

「どういたしまして」

杏奈の浮遊によって机の下から出たあたしと美里は、三人一緒に廊下に向かった





「聖理奈ちゃん、美里ちゃん、悠くん、特別系で集まるから着いてきて」

グラウンドに出て、開口一番水野先生から言われたのは、特別系の招集だった

何があるのかしら?

グラウンドを横切る先生に、素直について行くあたしたち三人

たどり着いたのは、校舎内の学園長室だった

なぜ?

学園長室に入ると、中には見慣れた顔───特別系の先輩方が揃っていた

皆、不安そうな顔でソファに座っている

あら・・・・・・?

妙に見た事のある光景ね

でも、あたしたちは揃って一度も、学園長室に入ったことは無いはずよ

デジャヴ・・・・・・かしら
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