魔法界の魔法使いには人間界の魔法使いに負ける落第生がいます
よく聞こえないわ・・・・・・

「さっ、いこう」

彩音に連れられ、あたしと美里、真奈も靴を脱いで校舎内に入る

フォーマルシューズは持ってきていなかったから特急で靴箱まで取ってきた

真奈は持参したスリッパに履き替え、学園長室に向かう

その間、沈黙

・・・・・・なぜ沈黙なのかしら

スタスタと歩いていく彩音についていくあたしたち3人

あら?

彩音はなんで、道のりを知っているの?

学園長室に行くまでの道のりを・・・・・・

彩音は、もしかして

前に、この学園に─────

「ついたー」

呑気な声を聞いて、はっと我に返る

そんなわけないわよね

あたしはこの学園の中でもかなり古株の方よ・・・・・・同年代で出ていった子はいないわ

でも、気になる

彩音と、前にとてつもなく親しい間柄であったような気もする

それでも、そんなことが有り得るはずがない

セルリア学園の生徒と───そもそも魔法界との交流は、神崎家のご当主様とご令嬢の方としか・・・・・・

「「え・・・・・・」」

あたしと美里の声が一致した

美里と顔を見合わせる

美里は、今気づいた、と言った風な困惑した顔でぽかんと口を開ける

「「ご令嬢・・・・・・?」」

その言葉に、ドアを開けようとしていた彩音の手が止まった

そして、真奈も驚いたようにあたしたち二人を見る

なんで、この言葉が急に?

神崎家のご当主様とは振興があったけれど・・・・・・ご令嬢である方とは会ったことがないはず

「・・・・・・彩音」

真奈が静かに、彩音を見据えた
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