魔法界の魔法使いには人間界の魔法使いに負ける落第生がいます
すご、見えないや

ぱんっ

ぱちっ

ぺちっ

あ・・・・・・上手くいった

数匹のカグランがフラフラと倒れた

その顔は赤く紅潮している

和也先輩のフェロモンがきいたんだ

でもって───

「整列!」

声が響く。よく知った声

陸先輩だ!

その瞬間、カグラン御一行様は一列にピシッと並んだ

さすが・・・・・・音色属性

声だけで操る力をもつだけはありますなぁー

「よっ・・・・・・と。おい、美里。仕上げは頼んだ!」

「りょーかい!」

美里の声が聞こえた直後、あたしの視界から姿が消えた

あれ?美里、どこいった?さっきまで前にいたのにな・・・・・・

と思ったら───

ビリビリビリッ!

フェロモンにやられたカグランも、音色に操られたカグランも、諸共

落雷が直撃した

まあ、もちろん

この場所に自然にできた落雷が落ちるはずがない。結界によって守られているはずだから

つまり

「美里・・・・・・派手にやったなぁ」

「そうね。やりすぎ・・・・・・」

「美里・・・・・・」

「美里ちゃん・・・・・・」

因みに、当の本人はと言うと・・・・・・

「よっ・・・・・・と」

落ちてきた

正確に言えば、空から

「ん?」

「いやー、跳躍は楽しいぜ」

「んん?」

「あ?どうした、彩音」

「ちょ、ちょ・・・・・・」

「ちょ?」

「跳躍ー?!」

叫んだ。

いやいや、ちょっと待った。跳躍?

あの時間、ずっと空中にいたってこと?!長!っていうか、美里本当に人間?!

おもわず疑っちゃうね、これ・・・・・・

「あははー」

「お疲れ様でした」

「タッチするの疲れたよー」

「悪い。全く効かなかった」

「いえ・・・・・・不可抗力、です」

「そうよね・・・・・・」
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