魔法界の魔法使いには人間界の魔法使いに負ける落第生がいます
「あ、そっか!」

チョコもらってたんだっけ!

確か、ポケットの中に・・・・・・ん?

あ、あれっ?!無い!

「おかしいなぁ・・・・・・」

落としたのかなぁ?だとしたらめんどいな・・・・・・

「どうしたの?」

「んー、チョコがない」

「は?」

制服に着替えようと奥の自室に行こうとしていた二人の足が止まる

「カグランが食べたりしないでしょうね・・・・・・?」

「するよ、多分」

こりゃ、一大事だわ

カグラン、あのまま走ってたし

パッケージごと食べたら大事!やばいって、詰まらせるって!

「ご、ごめん!取りに行ってくる」

部屋を出て、ぴゅーっと廊下を駆け抜ける

「あっ、ちょっと待て!」

「ごめーん!すぐ戻る!」

「いや、まだ悪魔はいるかもしれ───」

聞こえないって!美里!

あ、これ口実に逃げよ!聞こえませんでしたーって!(美里からね)

「い、急げー」

テレポーターの中に突っ込んで、急いで操作する

何年間も向こうの世界で使ってたから操作は慣れたもの

ぴりりりりりりりり・・・・・・

ひゅん

ことっ

「よ、よしっ」

今までの道を辿れば!

良い!はず!

でも、ここ森だしね・・・・・・

「早いとこ探さなきゃ」

捜索開始から10分後

「ないよ」

15分後

「なーい」

20分後

「あった・・・・・・」

み、見つけたー!

銀色のパッケージが、ひっそりと木の根本に落ちていた

ふう、一安心───と思ったら

どおおおんっ!

「?!」

いきなり、地が揺れた

振動に耐えきれず、座り込んでしまう

これは・・・・・・まさか!

「歪が・・・・・・!」

歪が生じて・・・・・・!

ああ、もう

ついてない!
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