魔法界の魔法使いには人間界の魔法使いに負ける落第生がいます
もしもこれでダメって言うなら、今度こそ諦めよう

「・・・・・・聞きたいの?和先輩のこと・・・・・・」

やっぱり、知ってるんだ

「うん、聞きたい」

「そう・・・・・・美里の為にも、彩音の為にも話しておいた方がいいかしら」

美里の為?

美里と、関係があるのかな?

和さんって人のこと、弥生ちゃんも知ってたみたいだし。しかも弥生ちゃんと美里、親しいみたいだし

なにかあるな!

「それじゃあ、放課後。購買に行く振りして・・・・・・特別室に行きましょう。今日は誰も来ないはずだから」

「わかった」

これで、知ることが出来る

誰なんだろう。和さんって・・・・・・









きーんこーんかーんこーん

「あ、予鈴!」

お手洗いで用を済ませると同時に予鈴が鳴り響いた

高速で手を洗ってハンカチでふく。そして、廊下へと出る

「次は確か・・・・・・数学ね」

「ど、どっちにしても急げー!」

猛ダッシュで教室にたどり着く。あ、視線がやばい

「おかえりー。ギリギリだねー」

脳天気な声で弥生ちゃんが手を振っていた

振り返す余裕はないんだよね・・・・・・悲しい

弥生ちゃんには悪いけど、小さく手を振るだけにして、教室後方にある教科書とかを入れる棚の中から数学一式を引っ張り出す

そして、それらを持って席についた。せ、せーふっ

「ギリギリ・・・・・・ね」

「珍しいね。聖理奈がギリギリに席につくとは」

「・・・・・・お手洗いが長引いただけよ」

弥生ちゃんの言葉に、聖理奈は平然と答えた

まあ、本当は和さんについてちょっと話してたんだけどねっ
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