魔法界の魔法使いには人間界の魔法使いに負ける落第生がいます
「はーい、授業を始めまーす!」

ガラガラと、前方のドアが開き水野先生が登場

「うん、全員揃ってるねー。感心感心。一人だけ変なのが紛れ込んでるけどー」

「ちょ、夏美先生ひどー!愛する生徒の一人だよー」

「あれー?そーだったっけー?」

二人のやりとりに、クラスは大爆笑。あたしも思い切り笑っていた。でも

なぜか

美里だけは、貼り付けたような笑だった

聖理奈の向こうで、少しだけ顔を歪めていたのをあたしは見逃さなかった

うーん・・・・・・やっぱり、弥生ちゃんと和さん、美里と聖理奈の四人は何かしら関係があるよねぇ

なんだろうね・・・・・・

「それじゃあ、数学始めるよー。教科書四ページ目をopen!」

やたらと発音よく水野先生が喋る。───うん、これくらいならついて行けそう!

「まず、この章から終わらせるからね。ええと───」

授業は進んでいく。まあ、あたしは基本暇してた。

だって、お兄ちゃんと同じレベルの勉強してたんだ、あたし。だから、小学五年生の勉強はバッチリ!なはず!

あたしのお兄ちゃん、よく遊んでくれるんだけどその度に「勉強しよう」とか言うんだもんね!

まあ、そのお陰で楽々できるようになったんだけど・・・・・・

はは・・・・・・

「この問題からだよねっ。ふふん、さぁ彩音ちゃん!」

「へっ?あ、はいっ?」

「この問題、解いてみて?」

問題・・・・・・?

「ここよ、ここ」

聖理奈が自分の教科書をあたしの方にずらして、問題を指さした

問2?

「これ、やれる?」

「もっちろん!」

ふふん

先生、甘く見ないでねっ!
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