魔法界の魔法使いには人間界の魔法使いに負ける落第生がいます
うん、ほんとごめんね・・・・・・あたしからキツく言っておくので!

「確か杏奈ちゃんは・・・・・・浮遊だったよね?」

「ええ、そうです」

浮遊・・・・・・かぁ

あたしからして見れば、"浮遊"は忌々しい記憶しかない

一度、浮遊をしてみたことがあるんだ

そしたら、コントロールが効かなくって、空中をビュンビュン飛び回ってさぁ

死ぬかと思ったよ・・・・・・

ま、お兄ちゃんが止めてくれたから良かったけど。その後、おじい様からきつーく叱られました

「なれば!この人形を浮かしてみて!」

どこからか先生が取り出したのは、小さなストラップタイプのウサギの人形だった

「わかりました」

前に出て、先生のところに行く杏奈。先生は人形を教卓の上に置く

そして、人形に手をかざした

その瞬間、ふわっと人形が数センチ浮いた

そのまま浮遊を続け、教室中を飛び回る

杏奈の手のひらは、常に人形に向いているので思ったところに飛ばせているみたい

つまり、コントロールがいいってことか!

「いいよー。下ろして」

先生の声に、杏奈は教室を飛び回らせていた人形を元の教卓に戻した

すっげー。なんで特別系にいかないんだ?

あれだけのコントロールがあれば特別系・・・・・・いけるでしょ?十分

なんでだろー?

「杏奈は、コントロールはいいの。でも、生まれつき魔力が少ないのよ」

あたしの疑問に答えるかのように、聖理奈が言う

あ、心の中読んだな?
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