魔法界の魔法使いには人間界の魔法使いに負ける落第生がいます
ゴウッ!

あたしたちは、炎に取り囲まれた

「な・・・・・・っ!」

美里が声を上げる

『我に気安く話しかけるなど・・・・・・無礼者め!』

口から火を吐くドラゴンは、本当に怒っているようだ

・・・・・・こういう時、お兄ちゃんに教わった秘術がある

「はあっ!」

掛け声とともに、あたしは魔法を使った

その瞬間、あたしを中心に癒しのオーラが出現し、炎を退ける

これは、癒しと防御の属性が行える、防御は拡張魔法を、癒しはオーラをだし、その力で魔法を退けることができるの

お兄ちゃんが教えてくれたんだ

癒しは、全ての属性において力を発揮するし、防御はもともとシールドと同じだから

「すげぇ・・・・・・」

悠が小さくつぶやいているのが聞こえた

でも、これは少しでもコントロールを誤ると、退けしすぎて他のものに退けた魔法が当たって被害が広がったり

もしくは、癒しのオーラが敵にあたって癒してしまったりする

だから極力、使いたくないのだけれど・・・・・・しかたない

「彩音、ナイスよ!」

瞬時にあたしがしたことを理解した紅梨先輩が、見様見真似であたしと同じような防御の壁をつくった

もちろん、紗奈先輩も

それにより、炎は徐々に遠くなり、終いには消えていった

あたしと紗奈先輩の癒しが聞いて、無効化してしまったのかも

あ、無効化の原理は難しいのでカットさせていただきます

『お主・・・・・・どこかで見たことがあるぞ』

さっきの様子を見て、ドラゴンが呟いた

「え、あ、あたし?」

自分を指さして聞き返すと、ドラゴンは頷いた

『ああ、どこかで見たことが・・・・・・む?お主、もしや・・・・・・』

はっとして気づいたのか、ドラゴンはわなわなと震えだした

『もしや、あ、あの方の・・・・・・!し、失礼致した!』

急に態度を変えて、がばっと土下座(出来ないから土下座っぽいもの)をして、謝ってくる

「えーと、あたし、なんかしたっけ?」

『い、いえっ。申し訳ございません!』

「あーうん、何か知らないけど、いいよ?」

疑問形になってしまった・・・・・・
< 82 / 196 >

この作品をシェア

pagetop