☆君との約束
『お、母さん……?』
招待状を受けた相馬はどこか浮かれて、嬉しそうで。
久々に会った人間達に挨拶していた中、変わらず、嫌味を言われる莉華を庇って、相馬は一歩先に兄弟達の元へ行ってくると言った。
たまに連れて来たら、驚く程に可愛がり、遊んでくれる総一郎と京子。
二歳下の弟達も、相馬には可愛かったことだろう。
総一郎は身体が弱くて、跡継ぎは難しそうだと言われていて、そうなったら、和子が愛している双子のどちらかが継ぐことになるんだろうという、大人達の欲と卑劣な噂に浸かった、子供たちには決して聞かせたくない話。
直系として、聞かなくてはならなくて……それでも、ここまで色々としつこかったのは、教育を受けて無かった陽希が結局、跡を継いだ形となり、受けていた春馬が逃げ出したからだった。
相馬は俺の意思で受けさせていなかったし、必要ないと思っていた。
それが、跡継ぎとして認められる条件だとしても、それでも、こんな悪の巣窟に可愛い息子を放り込むくらいなら、跡なんて継がなくていいと思っていたからだ。
それらが、裏目に出たかは知らない。
『はっ、はは……』
相馬の口から乾いた声が、漏れた。