☆君との約束
「好きです!」
……考えていたことが、的中。
やっぱり、告白……。
「ありがとう。でも、ごめんね。今は誰かと付き合うとか……考えられないんだ」
回答は、いつも同じ。
でも、この女の子は他とは違ってて。
「わかりました。なら、好きでいてもいいですか?」
と、聞かれた。
「え……?」
「好きでいたいです。……ちゃんと諦めますから」
俺に告白をして来た大半は、それから二ヶ月もしない内に彼氏を作っていた。
だから、この女の子の言葉も嘘だと思った。
でも……彼女は俺に微笑みかけ続けた。
答えられなくても、挨拶をしてくれた。
「おはようございます」
彼女の名前は、三日月莉華。
その笑顔を見るのが、いつしか習慣となって。
心が、解れていく。
「陽向、最近、ご機嫌だな」
陽希に言われて、自分でも確かにと思った。
それからだ。
彼女は学校を早退したり、休むことが増えた。
彼女がいつも共にいる友人に訪ねると……、
「莉華のこと、気にしてくれているんですね」
と、住所の書かれた紙を貰った。
「私からは話せません。でも、莉華は貴方のことが本気で好きなんです」
……どうして、自分なんだ。
俺は、彼女になにもしてやってない。