☆君との約束
結婚 side18歳の陽向
「……ってなわけで、俺の彼女の莉華ね」
横には緊張しているのか、ガチガチの莉華。
机を挟んで、目の前の両親は微笑んでて。
「漸く、御目にかかれたわ。ねぇ、陽介」
「ほんとにな」
「頑固として、今日まで会わせてくれないなんて……結婚の件?私達は反対しないわよ」
あっさりとした返答。
「……もしつれてきて、莉華が嫌な思いをするのはと思って」
「私が虐めるってこと?アハハッ,ないない」
違う。
もっと、別の力。
「―……御前か」
俺の表情から察してくれた父は、湯呑みを手に。
「消すか?」
狂気を発する。
この人は強い。
母の出戻りと共にここに来てから、父親としてのこの人を、当主としてのこの人を見続けてきた。
そこには大きな何かがあって、陽希があとを継ぐことを少しかわいそうに思ったほどだ。
「まだ、利用価値がありそうだから。まだ、消さないで。それに、御前を消したら―……騒ぎになるんじゃない?」
今や、本家の御園を飲み込む勢いのある御前。
処分しなければならない奴等がかなりいるが、まだ、使えるので残しておく。
「騒ぎは金で揉み消せる。そんなんじゃねぇ。陽向、お前、言わないだけでこの屋敷内で何かあったか?」
「ええ?何も」
「本当か?」
「うん」
まぁ、部屋に盗聴器はつけられてたけど。
全部、“気”で破壊したから。
だから、平気。