☆君との約束
「莉華さん、陽向をよろしくお願いします」
俺の様子を見て、クスクス笑った母さん。
そして、莉華に頭を下げた。
「わっ、や、やめてください!」
「フフッ、可愛い。貴女が私の娘になってくれるなんて、嬉しいわ」
「娘……」
「私、3人子供が居るんだけどね。みーんな、男の子なの。だから、貴女が娘になってくれると嬉しい。買い物したり、いっぱい、女の子にしかできないことをしましょうね」
(美人で、優しいお母さん……とか、思ってんだろうなぁ……)
莉華の顔を見れば、わかる事だ。
まぁ、家族を早くに亡くして、色んなところをたらい回しだった莉華からすれば、母さんが優しく見えても仕方はない。
「ところで、結婚するのは構わないんだが……」
ふと、父さんが口を開く。
「どこで生活するんだ?」
「それは……」
ぶっちゃけ、どこでもいい。
莉華といれるのなら、どこでも。
けど……。
「やっぱり、ここかな」
全体的な安全を考えれば、実家が安全。
「へぇ?そりゃ、またなんで?お前のことだから、御園のマンションを作るかと」
「それもいいと思ったんだけど……莉華が望む形で、高層ビルをひとつ建てても。でも、それじゃあ、莉華の安全が守れない」
俺の高層ビルの話にぎょっとした莉華は中止の言葉を聞いて、安堵。
ほんと、コロコロ表情を変える。