☆君との約束
「陽向、私は大丈夫だよ」
すると、そんな声が聞こえて。
俺の手は莉華の手に包まれてて、莉華は柔らかく微笑んでいた。
「よろしくお願いします」
母さんに頭を下げながら、俺に大丈夫と言ってくれる莉華の優しさ。
何があるかわからないのに、どうしてそんなに気丈でいられる?
「……莉華」
二人っきりになった時を見計らって、俺は聞いてみた。
「なあに?」
「もし、もしだよ」
「うん?」
「何かあったら、莉華は俺から離れる?」
俺の言葉に目を丸くした莉華は。
「……変なの。いつもは自信満々なのに」
クスクスと笑い出す。
そして、俺の手を取って。
「どこにも行かないよ。陽向が必要としてくれる限り、私は陽向のそばにいたいから」
そう微笑んでくれた彼女を、本気で大事にしたい、幸せにすると決めた日。
まだ、俺は幼すぎた。
ここから、全てを壊される……さぁ、覚悟しろ。
莉華を、
俺の大切なものを傷つけたものは、
全て…、滅ぼしてあげるから。