☆君との約束
「陽向の妹だったら、とっても美人になるだろうね!春馬くんも三歳にして、イケメンオーラが凄いし!!来年かぁ……楽しみだねっ!」
そんなことを、言い出して。
「楽しみ……楽しみ?」
「うん!……陽向は違うの?」
「いや……そうじゃなくて。楽しみじゃないかと言われたら、子供は嫌いじゃないから楽しみだよ?でも……」
「私の心配?―大丈夫。だって、陽向がいるから」
優しい笑顔。
いつも、笑っている莉華。
無理しなくていいんだよ、その一言で彼女が救われるなら。
「―愛してる、莉華」
「うんっ、知ってる」
君にどれだけの愛を注いだら、君は泣いてくれるだろう。
君の支えになりたいのに、何も出来ない自分がもどかしくて。
―何があっても、手放さない。
そう誓った、あの結婚式。
彼女の人生が、自分の傍にあることでボロボロになってしまうのなら、一層のこと、その誓いを破ることも考えるべきなのだろうか。
でも、
「大好きだよ、陽向」
自分の弱さを無意識に隠してでも、俺に甘えようとしてくる君は滅茶苦茶、可愛いから。
「あー、可愛さの暴力だ」
自分は結局、君を手放せはしないんだろう。
抱き締めれば、彼女は腕の中でクスクスと笑って。
「ずっと一緒」
「ん……」
「大好き、陽向」
君の笑顔を、守りたかった。
「約束。……ね?」
「……うん」
縋るように、額を合わせる。
『お互いを生涯、愛し抜く』
―君を一生涯、大切にしたかった。