☆君との約束
「本当、だったんだよ……」
君を傷つけてしまうくらいなら、あの日、君の想いに応えなければよかった。
君に興味が出た、ただ、それだけだった。
執着心とか、基本的にない自分が唯一気になったから……まさか、こんなにも大切な人になるなんて思ってなかったから。
「ごめんね、君さえいれば、他に何もいらなかったのに」
守れなかった。
守れなかった。
君を守れなかった僕が、
君を追い詰めた僕が、
一番に、君の帰りを願っている。
それなら、もっと早く、何か手を打てたかもしれないのに。
「なかないで」
そうしたら、君は今でも笑っていたのに。
「おかしいね、私はずっと陽向のそばにいるよ」
そんな、乾いた笑顔じゃなくて。
手の届かない存在になってもいい。
君が、僕の手が届かないところでも笑って、幸せになってくれたなら。
「うそつき……」
君の頬に触れると、滑り落ちた日記帳。
地面に落ちて、風に捲られて、パラパラと。
「……」
涙もまた、風と交わる。
そして、消えてく。
君の前だけ、それは流れる。
寂しいなんて、言う資格がないのはわかってる。
それでも、君が隣にいないのは寂しいんだ。