☆君との約束
殺してやろうと思った。
消してやろうって。
でも、それを、魅雨が止めた。
そんなことをしても、莉華は喜ばないって。
誰にも話していないのに、魅雨に止められた。
神様が、そう言っている。
精霊さんたちが、泣いているって。
こんな僕でも、どうやら加護はあるらしい。
だから、やめた。
その分、莉華をもっと、もっと、大切にしようって。
そう、思った時。
『私は……授かってあげられないから、違う人とでもって……陽向に、子供ができれば……陽向も喜ぶからって。そうっ、思ったのに!ごめん、ごめんっ、ヤダっ、やっぱり、嫌だよ!』
莉華がとうとう、泣きついてくれた。
泣きじゃくって、抱きついてきてくれた。
抱きしめると、やけにほっそりとした抱き心地にゾッとした。
最後に抱いたのは、いつだっただろうか?
こんなにも、ほっそりとはしていなかった。
ワンピースとか、そんな服で誤魔化していたのか。
―抱き竦めた。
泣き続ける君を、これ以上、晒したくなかった。
その腕の中にいる時でさえも、謝り続ける君が僕はとてももなく愛しくて、どうにかしてでも、守りたくて仕方なくて。