☆君との約束
参観日とか、進路説明会とか、三者面談とか。
わざわざ、海の向こうからのお越しだし。
俺か陽希が代わりに行くと言っても、『親の役目』と譲らない、変な両親。
中学にもなれば、流石に千華の方から、お兄ちゃん達のどちらかに来て欲しいと頼まれるようになったが。
『また、何か説明会があるって〜来てくれる?』
「行くよ。いつ?」
『えっとね、来月の頭』
「分かった。予定空けておくね」
定期的に、電話する関係。
今日は水曜日だから、俺の日だったけど……昨日は陽希の日だし、月曜日は父さんの日だ。
日曜日は総司(ソウジ)【和子の同母弟】だし、まぁ、それぞれ、役目とする曜日が違うらしい。
―よく知らないが。
(……千華は、問題ない。問題は、春馬)
憔悴している。
最近は、彼らが住んでいる場所にすら、俺達は近付けないようにされてしまった。
陽希を重ねているんだろうと思っていたから、俺は陽希に和子相手に交渉させてみたが……どうやら、ダメらしい。
アイツの中では、春馬は春馬なのか?
それとも……分からない。
あの女が何を考えているのか、分からない。
分からないから、消してしまおうじゃ済まない。
あの女は、この家にとって大切な宝だから。
せめて、京子【和子と春馬の長女】が大きくなるまでは……。