☆君との約束
「いやぁっ!」
―和子は、相馬を拒絶した。
自分の子供ではないと拒絶して、そして、否定した。
彼が生まれてきたことを。
その時の、春馬の顔。
そして、泣き叫んだ赤子の声。
「うるさいっ、うるさいっ、うるさいっ!!!」
「かっ、和子っ!落ち着いて……相馬だよ、和子が産んだ、間違いないよ。和子の子供で……」
「私からはるくんを奪うのは、子供やない!それに、はるくんにもうちにも似てない!!」
(……いい加減にしろ)
相馬は春馬と瓜二つだった。
似てないなんて、あるわけない。
やっぱり、てめぇは違うやつと重ねているんじゃねぇか。
手に入らない、他の男に。
「はるくん、その子を手離して!うちを抱きしめてや!」
「で、でも、、和子、この子は赤ちゃんで、泣いているから、ちゃんと親である責任を……」
「違う、違う!隠されたんや!うちとはるくんの子供やから!力が強いから!総一郎と違って、ちゃんとした時期に生まれてきて、多分、体も丈夫やったんや!だけん、御前の誰かが―……っ」
―この時ばかりは、本気で殺してやろうかと思った。
御前は、俺が処分していた。
存在はしていたけど、大きく表に出ることは出来なくなっていた。
そもそも、新しい当主はそんなことを望んでいなかったし、友人関係みたいなものだったから、付き合いやすくて……有り得ない。
目の前にいる赤子は、お前が産んだ子だろが!!!