【完】ヤンキー少年とコヒツジ少女

驚きの眼差しで剣崎くんを見ると。
照れたように頬をかいていた。


照れてる……意外だ。
はにかんだり、照れたり。
なんか、噂と少し違うかも。


「小梛が気に入ったなら良かった。」


「すごく美味しかったです。」


「卵焼きは家によって味がちげぇから好き嫌いはっきり出るんだよな。」


確かに。
甘いか、しょっぱいか。
甘さはどれくらいか。
しょっぱさはどれくらいか。


私の家は甘めなんだけど。
お父さんがとびきり甘いのが好きだから。
私には少し甘すぎてたんだよね。


でも剣崎くんのすごくピッタリの味だった。
食べやすかったし。


「なら剣崎くんと私なら喧嘩にならないね。」


「……えっ。」


剣崎くんの声に横を振り向くと。
顔を真っ赤にさせた剣崎くんがいた。


……私、何か変な事言ったかな。
でも思いつかない。
剣崎くん、熱でも出た……?



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