【完】ヤンキー少年とコヒツジ少女

りんごみたく赤い剣崎くんを不思議に思っていると。
今度はものすごい剣幕でこっちを睨んできた。


に、睨まれてる……。
はにかんで照れた後は睨むの!?
む、難しいよ、剣崎くん。


「それ、プロポーズか……?」


「えっ?」


とんちんかんな剣崎くんの言葉に思わず聞き返してしまう。
プロポーズって。
今そんなこと誰も言ってないよ。
それに睨みながらそんな事言われても、困るよ私。


そう思いつつさっきの会話を振り返ってみる。
剣崎くんが卵焼きの味は家庭それぞれで違うって。
で、私は。
私と剣崎くんなら喧嘩にならないねって……。


……わ、私。
私、なんてこと言ってるの!!


遅れて意味に気付いた私は剣崎くんに負けないくらい顔が赤くなる。
こ、こんなの間接的告白じゃん。
私のばかあ……!
ちゃんと考えてもの言わないと……!


自分の鈍感さが嫌になる。
どうしてこう、もう、……もう!!


ふたりで顔が赤くなって下を向く。
熱い……。
夏のせいだよね、きっと。



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