【完】ヤンキー少年とコヒツジ少女
電車乗ってたら周りの乗客の人怖がらないのかな。
この顔で睨まれたら怖いよね。
剣崎くんも周りの人も大変そう。


「小梛、これから暇か?」


「ひ、暇です。」


「じゃあちょっと寄り道しないか?」


よ、寄り道!?
それって、ほんとうに。
ほんとうに放課後デートみたいだ。


付き合ってる感、ある……。
でもドキドキとかじゃなくて、ただ怖い。
剣崎くんと一緒にいる時間長くなるんだ。
私の心臓もつかな。
でも、断れない。


「はい。」


典型的なイエスマンじゃん、私。
ダメな子供だよ……。


「行きたいところがあるんだ。」


そう言われて後ろをついて行く。
一定の距離を保ったまま、私たちは歩き続ける。


学校から電車で2駅。
降り立ってから徒歩15分。
少し賑やかな街並みの中、ケーキ屋さんの前で剣崎くんは足をとめた。


ここ、雑誌で見たことある。
美味しいって評判のケーキ屋さんだ。



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