【完】ヤンキー少年とコヒツジ少女
「ありがとう、剣崎くん。」
そう言うと、剣崎くんは少し顔が赤くなって。
なぜか、私を見て睨んでいた。
「あ、あの剣崎くん。」
「なんだ?」
「……今って、私の事睨んだりしてる?」
「睨んでない。」
睨んでるんだけどなあ……。
眉間にしわを寄せたまま否定している剣崎くん。
もしかして、だけど。
「……照れ隠し?」
ズバリ、言い当てちゃったんだと思う。
図星な剣崎くんは耳まで真っ赤にしていた。
なんだ、そうなんだ。
やっぱり……。
みんな勘違いだったんだ。
「ふふふふ。」
おかしくなって笑ってしまう。
これまで睨んでるように感じてたのは。
ぜんぶぜーんぶ、照れ隠しだったんだ。
だから、告白してくれた時も。
教室まで私を呼びに来た時も。
お弁当、私が変な発言した時も。