【完】ヤンキー少年とコヒツジ少女
そう認めると、心の中にストンっとおちてくるものがあった。
はまらなかったピースがやっとはまった感じ。
私、好きな人できたんだあ。
今までにないこの感情に、少し照れてしまう。
「まさか本当に好きになるとは。」
「私もびっくりしちゃった。」
「剣崎のどこが良いのよ。」
「……、内緒?」
「うわっ、羊がのろけた。」
「のろけてないよ!」
剣崎くんのいいところ。
人に知られたくないなあ。
私だけの特権、みたいな。
独占欲、湧いてしまう。
「じゃあ来週の花火大会誘ったら?」
「花火大会?」
「そう、神社のやつ。一応付き合ってるんだからさ。」
花火大会かあ。
今まではみっ子ちゃんと行ってたからなあ。
……剣崎くんと、ふたりで。
想像しただけで顔が赤くなってしまう。
よし、誘ってみよう。
心の中で小さくガッツポーズを作った。