【完】ヤンキー少年とコヒツジ少女
怖さが身体中を走って思考回路がぐちゃぐちゃになる。
もう、なにがなんだか分かんないよ。
このまま逃げてしまいたい。
でも足がすくんで動けない。
泣いちゃいそうなくらい怖いのに。
身動きとれない。
「小梛?」
「は、はい!」
名前を呼ばれて反射的に返事をしてしまう。
ど、どうしよう。
とりあえず怒らせないようにしないと。
機嫌、損ねちゃったら大変だ。
怒らせないように断るって、どうしたらいいんだろう。
だって剣崎くんと付き合うなんてできない。
付き合う、なんかじゃなくて。
ヤンキーとパシリだよ。
家畜扱いだよ、絶対。
この告白だってきっと。
私が言うこと聞きそうだからって。
そう言う理由で手駒にするために言ってるんだろうし。
だからちゃんと断らないと私の高校生活が。
「返事、聞かせろ。」
さらにきつく睨んでくる剣崎くん。
こ、怖いよ……。
逃げたい、目、逸らしたい。
でも逸らしたら殴られそう。