【完】ヤンキー少年とコヒツジ少女

焦って私の背中を撫でる剣崎くん。


また、涙が溢れだしてくる。
私、私……。


「好き。」


「えっ……。」


「私、剣崎くんが好き。」


突然の言葉に背中を撫でる動きが止まった。
固まる剣崎くんに、私は言葉をつづけた。


「最初は怖くて、半ば無理やりおっけいしたの。でも、剣崎くんの事知れば知るほど惹かれていって。今じゃ本当に好き。剣崎くんが好きなの。」


脅されたように付き合い始めて。
すごくすごく怖かった。


でも、仏頂面の裏側は優しくて。
不器用で照れ屋な所が可愛くて。
そして、私が困っている時。
助けに来てくれる。
呼んだら駆けつけてくれる。


守ってくれる剣崎くんが、好きなの。


「……知ってた。」


「えっ……?」


「俺の事好きじゃないって、知ってた。」


知ってたって……。
どういうこと。



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