【完】ヤンキー少年とコヒツジ少女
Extra Edition〜俺と白いハンカチ〜
俺は見た目が怖い。
そのせいで今まで出来た友達はひとりだけ。
先生も俺を怖がった。
良い事をしたら、悪いことだと勘違いされ。
感謝された事はなかった。
つり目の三白眼に。
良かれと思って染めたオレンジ色の髪。
そのふたつのせいで高校に入ってからはもっと人が寄り付かなくなった。
孤独に感じつつも。
間違ったことは一つもしていないから。
堂々と生きることにした。
でも、それでも。
誰かに認めてほしかった。
ありがとう、と言われたかった。
そう寂しく思うのは、傲慢なのだろうか?
「行ってくる。」
朝、実家であるケーキ屋の商品の下ごしらえを手伝った後。
いつも通り学校へ向かった。
手行きで改札をくぐった後、来た電車に乗り込む。
俺の顔を見るとみんな怯えてしまうから。
どんな満員電車でも俺の周りの空気は新鮮だった。
いつも通り、電車を降りて。
学校に行く。
そのサイタルを繰り返す予定だった。
でもその日は、イレギュラーな出来事が起こった。