【完】ヤンキー少年とコヒツジ少女
「……小梛羊はいますか。」
剣崎くんが立っていた。
な、なななな。
なんでここに!
剣崎くんを見た瞬間体温が下がっていくのを感じた。
ど、どうしよう。
早速パシリに……。
「こ、小梛さん?」
クラスの全視線が剣崎くんへと集まった後。
私の名前に反応してその視線が私へと移る。
その視線が痛くて思わず下を向いてしまう。
みんなの好奇心が痛い……。
いたたまれなさでいっぱいになっていく。
名前を呼ばれてそのままなわけにもいかず。
震える足をそのまま一歩、また一歩踏み出して。
剣崎くんの正面へ立った。
距離30cm。
私の視界は剣崎くんの内履き。
身長が大きいだけじゃなくて。
足もおっきいんだなあ……。
自分の足のサイズと比べて大きい足を。
怖さから逃避しながらぼーっと眺めていた。
「お昼。」
「は、はい!」
いきなりの低い声に肩がすくむ。