かけがえのない人


高校でもはじめは別に作らなくてもいいと思っていた。

でも、前の席にいた美波がうしろを振り返って話しかけてきて笑いかけてくれたときから、この子と仲良くなりたいと思ってしまった。

そうして1年一緒に過ごしてきて、いつからかまたそれが当たり前になっていた。

美波と話せなくなった時は友達から突然避けられた彩香の気持ちがわかるからそれでもいいと思った。

でも、だめだった。

こんなにも苦しいなんて知らなかった。

あのときの彩香はこんなにも苦しめられていたなんて知らなかった。

友達だと思っていた子に突然避けられるというのがどれだけつらいことだったんだろう。



< 109 / 240 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop