かけがえのない人
わたしが泣いている間ずっと抱きしめながら背中をぽんぽんとしてくれた美波。
やっとわたしが泣き止むと抱きしめていた腕をほどいてわたしの顔をみた。
「ねぇ、愛結。誰だってやり直したい過去とか思い出したくない過去とかあると思う。でも、それも含めて今の愛結がいるんだよ。だから、今まで通り愛結には笑っていてほしい。愛結には幸せになってほしい」
「・・美波・・」
「だからさ、図書室にいくことを続けるのはいいけど、根岸くんと会うのやめるなんていわないで、ちゃんと向き合いなよ」