かけがえのない人
だいたいいつも航のほうがはやくきているけれど、やっぱり今日はまだきていなかった。
なので今日読む本を探そうと思ってうろうろしていると
ーーガラガラ
ドアがあいて航が入ってきた。
「航!おはよー」
「愛結?今日はやいな。おはよう」
「うん、実はね、美波と仲直りできたの。航が背中を押してくれたおかげだよ。ありがとう」
「そっか、よかったな。愛結が頑張ったからだよ。俺はなにもしてない」
やっぱり航は優しい。
「ううん。本当に感謝してる。ありがとう」
「おう、どういたしまして」
航は照れくさそうにそういった。