かけがえのない人
「「「いただきます」」」
さっきキッチンでぐつぐつ煮ていた正体は煮込みハンバーグだったらしい。
お父さんの昔からの大好物であり、お母さんの得意料理でもある。
「やっぱり、母さんのつくる煮込みハンバーグは格別だな」
「また、そんなこといって、なんにもでないわよ」
そんなこと言いながら二人ともすごく幸せそうな顔をしていた。
こういうの憧れるし、いいなーと思った。
わたしもいつかこういうやりとりができる相手にめぐりあえるのだろうか?
航以上に好きだと思える人に出会えるんだろうか?
航とは付き合うという未来は全く見えない。
告白をしたところで振られておわりだろう。
そう考えると、少し不安になった。