かけがえのない人
「愛結?どうした?手がとまってるぞ」
お父さんにそう言われてあわててハンバーグを口にいれた。
「うん、おいしい!お母さんの煮込みハンバーグ世界一!」
自分の不安を消し去るようにそう大きな声でいうと、「そうだよな、うんうん」といってお父さんもうなずいた。
お母さんは照れたような顔をして、でも嬉しそうだった。
「愛結、学校はどうだ?楽しいか?」
「うん、楽しいよ」
「いいなー高校生は。青春だなー、放課後とかも友達とカラオケいったりボーリングいったりしてな」
お父さんは自分の高校時代のことを思い出しているのか懐かしそうにそういった。