かけがえのない人
でもそのとき意地でも俺は通えるっていえばよかった。
彩香は俺と違っておとなしいほうだ。
双子なのに、正反対じゃないかってくらい違う。
でも、それでも新しい中学でもやっていけるだろうと親も俺もそう思ってた。
それなのに、悲劇が起こってしまった。
親父はお袋にいじめられてることに気づかなかったんだろうって怒ってたけれど、俺だって気づかなかった。
それくらい彩香はいつも普通で「学校楽しいよ」といっていた。
たしかに、はじめのころは遊びに来ていた友達もいたみたいだし。
俺は、野球の練習が忙しくて、友達が帰ってから家に帰ってたから、会ったことはなかったんだけれど。