かけがえのない人
今日は彩香に会うことはできないといわれたが、お袋は残るといいはり、俺も残りたいといったけれど、明日も学校だから帰りなさいと言われた。
親父も今日は仕事を抜け出してきてしまったから、明日は行かないといけないといった。
こんなときまで仕事かと責めたくなったけれど、入院費用や車いす生活に必要なお金などもかかるため、休むわけにはいかないといい、お袋も俺もなにもいえなかった。
俺と親父が病院をでたとき、雨が降っていた。
俺たち家族が涙をみせなかった分、空が変わりに泣いてくれているみたいだった。