かけがえのない人




「ただいまー」

「おかえり、お昼用意してるからもうすこしだけまってちょうだい」

「はーい」

今日のお昼ご飯はオムライスらしい。

ケチャップライスのいいにおいと、卵のジューと焼ける音がして、ほっとしてなんだか泣いちゃいそうになる。

いつもそうだ。
図書室にいくと気を張っているから、家に着くと落ち着くんだ。

お母さんがいて、料理を作ってくれていてそれだけで幸せなんだなって感じることができる。

わたしの家はお父さんが単身赴任中で今は家にいない。

お母さんはいわゆる専業主婦。

お父さんがいない間はたまにパートにでかけるときがあるけれど、お父さんの収入もわりとすごいらしく何事も不自由なく暮らせていることもとても幸せだ。


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