かけがえのない人


「俺は、お前が許せなかった。お前が図書室に通って本を読むくらいで彩香の苦しみは消えない。お前がやってることは自己満足にしかすぎない。それに加えて俺がくるようになってから、俺と話す時間も増えて本だってまともに読んでなかった」

図星だ。

「俺はな、お前が大嫌い。本当は目を合わせるのだって、話すのだって、顔を合わせるのだっていやだった」

何本もの矢が一気にわたしの体をぶっさしてくるくらいもう胸が痛くて、つらくて。


「もう、お前と一生話すこともない。お前の顔なんてみたくない」


そういって航は店をでた。


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