かけがえのない人
8月の上旬、瀬那にあったときのことを思い出す。
たしかに、瀬那はもう過去は忘れたいといっていた。むしろ、反省なんてなにもしてなくて、わたしが悪いと責めてきた。
「でも・・・」
「大丈夫。なにがあったってお母さんは愛結の味方だよ。愛結が決めたこと、本当にやりたいことをやってほしい。もしちゃんと考え抜いたうえで、本当に転校したいっていうならそれでもいい。でも、今の愛結はきっと航くんに言われた言葉で傷ついて、弱気になって一番楽な道を選んでると思う」