かけがえのない人
「それに、お母さんの勝手な思いかもしれないけど、航くんがいってたこと、全部が嘘じゃないんじゃないかしら?」
「え?」
「図書室に一緒にいってたのはたったの2か月くらいだったかもしれない。でも、それでも本当に嫌いな相手なら関わらない気がするけどな。なにか復讐したいとかだったら別だよ。でも、航くんがいうには仲良くなって最終的にどん底に引き落とすつもりだったんでしょう?
それだったら、そんな長く付き合わなくたって十分な気がするし、なにより自分が最初から関わらなければもともと自分という立場がいなくて、あとは美波ちゃんをどうにかすればよかったんだから。そっちのほうが簡単だったんじゃないかしら?美波ちゃんに根も葉もない愛結の噂を流すとか。お母さんの勝手な想像だけれどね」