かけがえのない人


「すいません、根岸航くんいますか?」

航のクラスのドアのところにいた男の人にそうきくと、「ちょっとまって」といわれて、クラスの中に戻った。

でもすぐ戻ってくると「もういないみたい」と答えた。

「そう、ですか、ありがとうございます!」

航、どこにいったんだろう?今日は午前中でおわったから時間がたっぷりある。

時間をかけてでも、探すつもりだった。

でも、どこを探しても航の姿はなかった。
もう、やっぱり帰っちゃったのかな。

焦る気持ちばかりが支配する。

気づけばもうお昼近くになっていた。



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