かけがえのない人
「あのときのことは、今でも忘れられないよ。こうして足も動かせなくなっちゃったし。でも、こうやって謝りにきてくれただけでも嬉しい」
「彩香・・・」
「さっき航からちょっときいた。図書室でのこととか。ありがとう。愛結ちゃんは優しいよ」
違う。こんなこと彩香にいってもらえるなんておかしい。
でも、それでもきっとこれが彩香の本心なんだろう。
優しいのは彩香のほうだ。
それも私の何倍も、何十倍も。