かけがえのない人
「さようなら」
HRがおわり、美波といつものようにバイバイして図書室に向かう。
今日はなにを読もうかなー。
そう思っていろいろ本を見ながらまわっていると少し高いところに面白そうな本をみつけた。
手を伸ばせば届きそうだし、わざわざ台を持ってくるほどではないと思って手を一生懸命伸ばしていると、人の気配が近くでしてそのままわたしがとりたかった本をひょいと簡単にとってしまった。
「はい、これ読みたかったんでしょ?」
「あ、ありがとうござ・・・」
そこまでいってその人の顔をみたとき、驚いてそのあとの言葉が続かなかった。