かけがえのない人


あのとき、航に会わないと言おうと色々考えすぎて倒れちゃった日。

でもそのときに航にとってわたしが違う存在になれたなら、倒れてよかったなんて思った。

そしていま思えば、あのとき本が倒れたのはわたしの幸せを陥れるためじゃなくて、幸せをよぶためだったのかもしれない。

人一倍優しい彩香のことだから、わたしと航を応援して、見守っててくれていたのかもしれない。

わたしの勝手な想像だけど、そんなような気がする。



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