かけがえのない人
「ね、ねぎしわたる!?」
そしてわたしは思わずそう叫んでしまった。
「あはは、なんでフルネーム?」
「す、すいません」
「いや、べつにいいけどさ」
彼は学年一かっこいいと噂の根岸航くんだった。男に興味がないわたしでも知ってるくらいだから、相当有名だと思う。そしてそんな彼が目の前にいる。
それと同時に初めて間近でみた彼と、なんとなく一度会ったことがあるような気がしたけれど、同じ学年なんだし当たり前かと思って特に気にしなかった。