かけがえのない人
それなのに・・・
また過去のことが頭によぎる。わたしはなんて最低なことをしていたんだろう。
親の愛情を受けるたびに、幸せを感じるたびに、自分の罪の深さが身に染みる。
「愛結、なにか悩んでたり思い詰めてたりすることがあるなら、いつでもいってちょうだい。お母さん力になるから」
「うん、ありがとう」
お礼を言うとお母さんは微笑んだ。
「それよりお腹すいてない?なにか、食べたいものある?」
「ちょっとすいたかも。おかゆ食べたいな」
「そうね、愛結半日くらい寝てたからね」
「え、そんなに?」
「ええ。でも、食欲がでてきたならよかったわ。すぐ作ってくるから横になってなさい」
そういうとお母さんは部屋からでていった。