かけがえのない人


「そんなこと、ないよ」

「まぁ、そんなんで部活には入ってないし、友達はほとんど部活やってて俺は放課後暇なわけ」

「でも、だからって図書室にこなくても・・・」

「愛結はいやなの?俺がいるの」

いやなわけない。むしろ嬉しいよ。

「そうじゃないんだけど・・・最近本ちゃんと読めてなかったなって」

「愛結はどうして毎日図書室に通ってるの?本読みたいから?」

「それは・・・うん、本読みたいから。」

「ほんとに?」

「うん」

「そっか」

どうしても、どうしてもいえない。

航は自分の過去のこと話してくれたけれど、わたしの過去は話せない。



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